キャブレターのオーバーホール作業ではいったいどのような作業が行われているのだろうか?
またキャブレターと洗浄ではどのような違いがあるのだろうか?
ここでは自動車のキャブレターのオーバーホールと洗浄に関する具体的な内容について確認していこう。
オーバーホールとはキャブを分解し部品の洗浄や交換が必要となる部品を交換する作業の事を指す。
自分で修理や整備を行っておる場合は洗浄だけで済ますケースもあるかもしれないが、基本的にはカーショップや整備工場に依頼することになるじゃろう。
ここではキャブレターのオーバーホールの流れを一度チェックしておこう。
キャブレターのオーバーホールと洗浄は同様のイメージがあるもの。オーバーホールでは交換しない部品などは洗浄を行うため間違いではないのじゃが、実質の細かい作業工程はやはり異なっておる。
オーバーホールを業者に依頼する際は、「どのような作業を行ったのか?」について最低限の知識で良いので後々確認出来るようにしておく必要がある。
これは、作業を手抜きされてしまったりする問題というよりも、依頼主自身に全く知識がない場合は、依頼された業者側もどのような作業を行ったのかについて細かい説明ができない為でもある。
良心的な業者であれば、この部品はこのような働きがあって、このように劣化していたので交換しました。と説明をしてくれるかもしれんが、全く知識がない方に対しては相手も気を使い「大丈夫、ちゃんとやっておきましたよ」という説明程度しかできないじゃろうからのぉ。
では、ここからはキャブレターのオーバーホールの基本的な作業内容についてチェックしていくとしよう。
キャブレターをエンジンから取り外し全ての部品を分解。
基本的に全ての部品を洗浄するが、壊れている部品や不具合の生じている部品は新品と交換する。
部品交換後はキャブレターの組み直し。
組み直したら取り外したエンジンホース類(ガソリンホース・チューブ類)及びワイヤー類(アクセルワイヤー・オイルワイヤー類)全て取り付け完了。
以上の内容がキャブレターの最低限のオーバーホール手順じゃ。
簡潔に手順から見ていくと以下のようになる。
①エンジンからキャブレターを取り外す
②キャブレターの分解
③部品類の洗浄・交換
④キャブレターの組み直し
⑤エンジンへ取り付け
キャブレターの洗浄は前項の「③部品類の洗浄・交換」の工程で行われる作業じゃ。
具体的な洗浄作業は全ての部品を分解した後に専用のクリーナーで洗浄作業を行うだけじゃ。
尚、キャブレターの洗浄のポイントは「クリーニング専用オイル」もしくは「灯油」などでしっかりとキャブ内部に付着した汚れやパイプ口の詰まりを丁寧に除去することじゃ。
現実的には部品交換を行わずにクリーニングを行うだけでも調子が戻ってくるケースも多いのじゃよ。
自動車の整備屋にはオーバーホールなどの「リフレッシュ作業」を専門に仕事をこなしている業者も多いものじゃ。
このような専門業者に依頼する際は、オーバーホールを行った際に
☆洗浄のみで終えたのか?
☆部品交換はあったのか?
☆もし部品交換があった場合の部品代金は幾らか?
などのオーバーホールの具体的な内容の詳細について確認しておくと良いじゃろう。
普通は説明を受けるじゃろうが、「オーバーホールしておきました!」と言われたものの実は洗浄だけしかしておらんケースも考えられなくもない。
洗浄で済むことは別に問題はないが、「交換部品」があった場合とは工賃がまるで異なってくる点も把握しておく必要がある。
キャブレターのオーバーホールを予定しているケース。
実際にショップや整備工場でキャブレターのオーバーホールを依頼した場合はどのくらいの費用がかかるのだろうか?
ここからはキャブレターのオーバーホールを検討している方の為に、実費として発生するオーバーホール料金とその内訳についてチェックしていくとしよう。
キャブレターのオーバーホールを行う場合には実際にどれくらいの料金がかかるのか?
ここでは実費として発生してくるキャブのオーバーホールの工賃や費用の相場についてチェックしておくとしよう。
但し、車種や年式によって実費としてかかる費用は大きく異なってくるため、最終的な見積もりは必ず自分で行うことが大切じゃ。
整備関係の仕事をしている者はわかると思うが、整備や修理の場合は作業に必要となった時間に対して料金が発生するケースが大半じゃ。
キャブのオーバーホールの場合は、それほど大きな手間もかからないケースが多い為、取り外しから洗浄、交換までの作業を含めても早いところでは2時間程度の単価工賃が目安じゃろう。
しかし、パーツの交換や劣化が激しい場合はこの限りではない。
もしオーバーホールを度々繰り返してきた愛着のある車の場合は、組み立て時にキャブレターの油面調整を行ってもらうと良いじゃろう。
尚、時間単価の相場は5000円~7000円が平均的な相場ラインじゃ。
2時間の作業工賃だけで10000円は確実に超えてくることがわかるのぉ。
※オーバーホールを依頼する場合の工賃は1時間あたり5000円~7000円が相場ライン。
尚、洗浄剤につけている時間はもちろん作業工賃には含まれない。
実際に全ての工程が終わるには半日は必要じゃろう。
オーバーホールの際に部品の交換が必要となった場合は当然交換する部品そのものの代金が必要となる。
このパーツ代に関しては「車種」や「年式」によってかなり大きく左右されるため何とも言えんのぉ。
在庫の問題もある為、新しい製品の方が価格が安いという訳でも無い点がキャブレターの製品価格が計りにくい部分でもあるのじゃな。
特に既に製造が中止されておる車種や型式の場合は、キャブそのものが手に入らないケースもある為、特注となるケースもあるのじゃよ。
尚、自動車の場合、キャブをまるまる新品に交換する場合は最低でも4万円以上はかかると思っておいた方が良いじゃろう。
※キャブレターをまるまる交換する際にかかる費用は約4万円程度
但し、このキャブの交換費用に関してもやはり製品そのものの価格によって大きく変動するものと覚えておくべきじゃ。
パーツの価格の相場がわからない場合はキャブレター一覧ページをチェックしておくことじゃ。
尚、珍しい形式やクラシックカー、輸入車の場合は部品が少ない場合、思わぬ高額料金になるケースもあることが多い点も把握しておくべきポイントじゃ。
海外製品の場合は基本的に高額になるケースが多く、逆に量産型で人気の高い車種の場合は例えパーツ一つでも扱う販売業者が多いためディーラーなどの半額以下で手に入るケースも多いのじゃよ。
自動車のキャブレターを中心にここまで解説してきたが、ここではバイクのオーバーホールについても内容を確認しておこう。
バイクのメンテナンスでオーバーホールを行う際は、本当にオーバーホールを行う必要があるかどうかをまずしっかり確認することが大切。
これは内燃機関に明らかな不調が見られる場合であってもキャブの洗浄だけで調子が戻ってくるケースも多いため。
ここでは、バイクのキャブレターをオーバーホールする場合に実費として発生する工賃やパーツ代について見ていこう。
バイクのキャブレターのオーバーホール料金に関しても補足として解説をしておこう。
バイクのオーバーホールに関しては洗浄とオーバーホールの違いの項目でも解説したが洗浄だけで済むケースも多い点を覚えておきたいものじゃ。
キャブレターの構造も自動車と比較するとシンプルであり、もし交換が必要となった場合であっても交換用のパーツ代はそれほど高額にならないケースも多いのが特徴じゃ。
「これはオーバーホールしないとダメですね」
バイクが故障した際にこのように言われた場合は、幾つかのショップを確認するか、どの部品が破損しているのか?と具体的にオーバーホールを必要とする部位について確認しておくと良いじゃろう。
部品の破損や欠損の場合は、オーバーホールでしか対応できないケースももちろんある為じゃな。
オーバーホールの作業工賃は自動車と同じで「時間×単価」で作業工賃が算出されるのが基本。
但し、車のケースよりも時間は短時間で済むケースが多く手馴れたショップであれば持ち込んで1~2時間で洗浄から交換までが完了する。
劣化しやすい「バッキン類」も整備工場で確保しているケースも多く当日中にオーバーホールを完了してくれるケースもある。
オーバーホールの際に交換が必要となった場合はもちろん部品代の請求がなされることとなる。
バッキン類の交換だけで住んだ場合は数千円程度で済むが、やはりフル交換となると万単位は確実に覚悟する必要があるのぉ。
洗浄のみで終わるケースでは作業工賃を含めて1万円程度で済むじゃろう。
バイクの場合は多少勉強を積むと洗浄やバッキンの交換程度であれば自分でオーバーホールをすることも可能じゃ。
自分で行う場合はパーツを分解した際に、分解する前の全体写真と、パーツごとの部分写真を全て事前に携帯カメラなどで必ず撮影しておくことじゃ。
自分でオーバーホールをして失敗するケースは洗浄などの工程ではなく最後の組み立て時に間違ったり場所がわからなくなったりするケースが大半じゃ。
2回目以降は一度流れがわかるため洗浄程度なら比較的簡単じゃが、初めてのオーバーホールの場合は、事前にとっておいた写真を見ながら1つずつ組み直すと良いじゃろう。
もしわからなくなったら怪しげなまま組み込まずに費用は多少かかっても近くのショップで確認しながら組み直すことじゃ。
キャブレターを自分で洗浄しようと思っている場合にキャブレターの洗浄を行う場合のポイントを幾つかまとめておく。
洗浄でポイントとなるのは頑固なカーボンスラッジによる汚れをどのように綺麗に取り除いていくかが最大のポイント。
現在は車種別の洗浄剤も市販されているが、ここでは洗浄剤の選び方から抑えておくポイントについて確認していこう。
キャブレターやインテークマニホールドにはすす状の「カーボンスラッジ」が徐々に蓄積していく。
このカーボンスラッジを放置しておくと非常に頑固に固くかたまり洗浄が難しくなるものじゃ。
その為キャブレターの洗浄を行う場合は専用の洗浄剤を使用して汚れを一時的に浮きやすい状態にしてからオイルとブラシで洗浄していくのが最低限の基本となっておる。
エンジン部品はパーツ類の数も多く繊細な部品が多い。
洗浄剤を使用せずに無理やりカーボンスラッジを落とそうとガリガリこすり続けてしまうと、エンジン部品の破損や微小な傷が付きエンジントラブルの原因となる可能性も生まれてくるため、エンジンパーツに関しては特に力まかせの作業は厳禁なのじゃよ。
キャブレターの洗浄剤には多くの製品があるが基本的に自分の車種に適合するタイプを選択しておけば問題ないじゃろう。
インジェクションにはインジェクション専用の洗浄剤がありキャブにはキャブ専用の洗浄剤があるのでそこだけチェックしておけば基本的に問題はないのじゃ。
尚、近年は「泡状のスプレータイプの洗浄剤」が主流で4時間程度浸しておくとすんなりと「カーボンスラッジ」や「ガム」・「ワニス」を除去することが可能。
キャブ内部の掃除をする際は専用のクリーナー(灯油でも可)とブラシで過度に傷をつけないよう丁寧に汚れを削ぎ落していけば見違えるほど綺麗になるのじゃ。