自動車部品におけるブレーキパッドは主に現在の自動車の制動を調整するブレーキシステムのディスクブレーキを構成する部品の一部の事じゃ。
ブレーキは運動エネルギーを熱に変換し、発生した熱を放熱する事で作用する制動システムじゃ。
ディスクブレーキは、この制動の調節を行う際に発生する熱を放熱する効果が高く、ブレーキの効きが高温時でも一定に維持しやすくブレーキ効果が持続しやすいという利点を持っておる。
このディスクブレーキは「ブレーキディスク」と呼ばれるタイヤと一緒に回る円盤状のディスクを「ブレーキパッド」で挟み込む形でブレーキをかける仕組みとなっており、ブレーキパッドは摩擦が繰り返される度に消耗し、厚みが少しずつ薄くなっていくのじゃな。
その為、ブレーキパッドの消耗は安全の根元部分にも関わってくることから定期的なチェックと早めの交換を行うことが安全面を考慮する上でもとても重要なポイントとなってくるのじゃよ。
ブレーキパッドの寿命、交換時期の目安は車種や自動車の使用状況、そして自家用車、競技用自動車等の用途、更に自動車重量や管理状態、使用環境など多くの要因が関与しておる為、一概に寿命は何年と定めることはできない。
しかし、一般的に特殊なトラブル等が無いケースで普通に自動車を管理しながら使用した場合のブレーキパッドの寿命は普通自動車で3万~4万km程度、軽自動車の場合は4万~5万km程度が平均的な寿命ラインと考えておいて良いじゃろう。
交換時期の目安としては、車検時のチェック段階でブレーキパッドが残り何mm程度残っているのか?を確認し判断していけばOKじゃ。
尚、新品時のブレーキパッドの厚さは10mmが基準。半分の残り5mmを切ったあたりでブレーキパッドの交換を検討し始めれば良いじゃろう。
但し、残り2mmを切った段階では少なくとも1ヶ月以内には交換、残り1mmを切っている場合は直ちに交換をするように心がけたいものじゃ。
また、ブレーキを踏んだ際に、「キーキー」とややかん高い警告音のような音が聞こえ始めている時もブレーキパッド交換の目安と捉えて良いじゃろう。
この音は、ブレーキパッドが摩耗しブレーキローターを引っ掻く際に発生する音で、音が鳴り始めてから約1000km程度の間はこの音が継続的に鳴るようになっておる。
一定期間を超えるとこのブレーキローターを引っ掻く際に発生する音は鳴らなくなるのじゃが、この音が消えた=ブレーキパッドが復活した訳では当然無いため、音が鳴り始めた時に直ちにブレーキパッドの交換を検討しすることが重要じゃ。
ブレーキパッド交換をカーショップや民間の整備工場で依頼する場合にかかる交換費用・工賃の目安について確認しておくとしよう。
ブレーキパッド交換を行う際には多くのケースでフロント交換のみのケースと4輪全ての交換となる2通りの交換方法となるケースが一般的じゃ。
またブレーキパッド交換時には念の為、ブレーキフルードのチェックも行い万が一量が適正値範囲を下回っていたり、色の変色が見られる場合は高いものでもないので合わせて交換してしまっても良いじゃろう。
ここでは交換費用の内訳と合わせて工賃の目安を一覧で確認しておくとしよう。
【ブレーキパッド交換費用・工賃の目安】 | ||
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No | 交換部品 | 交換費用・工賃 |
① | 交換工賃(技術料) | 3500円~7000円程度 |
② | ブレーキパッド(前輪) | 2000円~10000円程度 |
③ | ブレーキパッド(4輪全て) | 4000円~20000円程度 |
④ | ブレーキフルード(1L) | 600円~2000円程度 |
ブレーキパッド交換にかかる費用の中で最も高額となるのはブレーキパッド本体の価格じゃ。
しかしブレーキパッドの費用の目安を見ても分かる通り、ブレーキパッド単体の価格は販売店やディーラー、純正品、同等品などによっても大きく価格が異なっておる。
また近年は自動車部品を専門に取り扱うネット通販ショップも数多く出店しておる為、半額以下などでブレーキパッドの販売がなされておるケースも多くなってきておる。
もしパーツだけを自分で購入し、持ち込みでブレーキパッドの交換を行なってもらうような場合は、作業工賃として前項のブレーキパッド交換費用・工賃の目安表の①交換工賃(技術料)に多少金額が上乗せされる程度で交換が可能とイメージしておけば良いじゃろう。
尚、金額を若干上乗せして費用を計算しておくのは、ブレーキパッドの販売から得られる利益分をショップ側が見込めない為じゃ。
但し、整備を専門に行なっている整備工場などの場合は持ち込みの場合でも同じ工賃で作業を行なってくれる業者もある為、そのような業者が身近におると心強いかもしれんのぉ。