自動車部品におけるラジエーターは主にエンジンルーム内のシリンダー部分で発生する熱を放熱する冷却システムの事じゃ。
自動車の内燃機関はガソリンが気化装置によって混合気となり、シリンダー内で混合気が爆発を起こす際のエネルギーを利用し自動車のパワーを生み出しておる。
その為、自動車を運転し続ける為には常に混合気を爆発させて熱エネルギーを得る必要がある為、エンジンは放っておくと熱がこもりピストンやバルブが焼き付いてしまったり、エンジン部品の変形や混合気の異常燃焼が生じる事となる。
ラジエーターは、このエンジンルームに生じる熱を効率良く放熱する為にチューブと配管がウォータージャケットと呼ばれるエンジンを覆う部分に繋がり、エンジン周囲を循環する形で設置されておるのじゃな。
ラジエーターの構造は基本的に「フィン」や「チューブ」で構成される「コア」と主にコアの両端に設置されるタンク、空気で冷やす「ファン」と圧力調整弁で内部圧力と温度を調節する「ラジエターキャップ」などで構成されておる。
これらのラジエター部品はブラケットによって自動車のボンネット内に固定されておるのじゃよ。
【ラジエーターの構造・部品一覧表】 | ||
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No | 部品 | 役割・働きの解説 |
① | フィン | ラジエーター熱を空気中に放熱。②チューブ強度の補強。 |
② | チューブ | 熱の放熱。冷却水の配管。(①フィンと②チューブをコアと呼ぶ) |
③ | タンク | コアの両端に設置される冷却水タンク。 |
④ | ファン | ラジエーターを空気で冷やすファン装置。前輪駆動車の場合は電動ファンで空気を取り込み、後輪駆動車の場合はエンジンの回転に伴い連動してファンが作動する。 |
⑤ | ラジエターキャップ | ラジエター液の蒸発の防止。加圧弁・負圧弁の2つの圧力調整弁で冷却液の温度を感知し内部圧力を調節。 |
⑥ | ドレンコック | ラジエター内に溜まる水を排水。 |
⑦ | ブラケット | ①と②のコアと③タンク、④ファンを車体に固定。 |
ラジエーターは頻繁に交換を必要とするような自動車部品ではないのじゃが、それでもやはり消耗品である為、使用し続けていればいつかは寿命が来るものじゃ。
車種や自動車の使用状況、管理状態、環境など多くの要因があり一概に寿命は何年と定めることはできないのじゃが、特殊なトラブル等が無いケースで普通に自動車を管理しながら使用した場合のラジエーターの寿命は普通自動車で8年~12年程度、軽自動車の場合は6年~10年程度が平均的な寿命ラインと考えておいて良いじゃろう。
ラジエーター交換をカーショップや民間の整備工場で依頼する場合にかかる交換費用・工賃の目安について確認しておくとしよう。
ラジエーター交換を行う際にはアッパー・ロアホースやラジエター液の交換も合わせて行うことになるのが一般的じゃ。
ここでは交換費用の内訳と合わせて工賃の目安を一覧で確認しておくとしよう。
【ラジエーター交換費用・工賃の目安】 | ||
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No | 交換部品 | 交換費用・工賃 |
① | 交換工賃(技術料) | 8000円~12000円程度 |
② | ラジエーター | 20000円~50000円程度 |
③ | アッパー・ロアホース | 10000円~16000円程度 |
④ | ラジエーター液(LLC) | 1200円~2000円程度 |
ラジエーター交換にかかる費用の中で最も高額となるのはラジエーター本体の価格じゃ。ホース類も意外と高額となるケースもある為、交換の指摘を受けた場合は本当に交換が必要かどうかについてしっかり確認をとるようにしたいものじゃ。