シートベルト交換費用・構造と仕組みの解説

シートベルトの着用義務化・役割・構造・仕組み・原理、交換時期の目安、交換費用と修理工賃の解説。

◆シートベルト交換費用・構造と仕組みの解説

◆シートベルトの役割とは?

 シートベルトの役割は、言うまでもなく自動車の急停止や急旋回などの際に体がフロントガラスやハンドル部分、また車外に飛び出すことを防止する役割じゃ。

 シートベルトの開発が行われた歴史は1899年のダイムラー社がイギリスのロンドンで起こした自動車事故がきっかけとなりスタートしたと言われておる。

 その後、競技用自動車において現在のように座席に固定するシートベルトが実用化され、1955年には我々が使用する普通自動車にもシートベルト安全装置が取り付けられるようになったのじゃ。

 尚、2012年7月より、後部座席を含めた全座席に3点式シートベルトの着用が義務付けられる事になったが、この3点式シートベルトを開発したのはスェーデンに本社を置くボルボグループじゃ。

 ボルボは自社で開発した3点式シートベルトの特許を保有しておったが、安全性に関わる技術である事から無償で技術公開を行い現在の自動車安全装置の基盤づくりに貢献しておる。

◆シートベルトの構造・部品

 シートベルトの構造は基本的に体を固定する帯状の「ストラップ」と、ストラップを座席に固定する「バックル」、そして車体部分に固定されている巻き取り装置である「リトラクター」などで構成されておる。

 シートベルトは着用時には容易に装着が可能であり、強いテンションが加わるとロックがかかる仕組みとなっており、事故発生時などの強い衝撃が発生した際にリトラクターの働きによってシートベルトの長さがロックされ身体を守っておるのじゃな。

【シートベルトの構造・部品一覧表】
No部品役割・働きの解説
ストラップ「腰ベルト」と「ショルダーストラップ」、チャイルドシートの場合は股下からも固定する「クロッチストラップ」で構成。
バックルベルトの脱着を行う装置。強い牽引力が働いても破壊されない鉄製。
リトラクター強いテンション・衝突時にベルトをロックする装置。

◆シートベルトの寿命・交換時期の目安

 シートベルトは頻繁に交換を必要とするような自動車部品ではない。しかし、やはり使用し続けていればいつかは寿命も来るし、新しい安全装置の開発によって交換を求められるようなケースも出てくるものじゃ。

 車種や自動車の使用状況、管理状態、環境など多くの要因があり一概に寿命は何年と定めることはできないのじゃが、特殊なトラブル等が無いケースで普通に自動車を管理しながら使用した場合のシートベルトの寿命は概ね10年~14年程度が平均的な寿命ラインと考えておいて良いじゃろう。

◆シートベルト交換費用・工賃

 シートベルト交換をカーショップや民間の整備工場で依頼する場合にかかる交換費用・工賃の目安について確認しておくとしよう。

 シートベルト交換を行う際には基本的に「部品交換」で済ませるのか?それとも「一式交換」を行うのかによって交換費用も大きく異なってくるのが一般的じゃ。

 例えばバックル部分のみの故障である場合は、対応するバックルのみの交換で対応できるケースもあれば、シートベルト自体に故障が見つかりバックルも含めた一式の交換の検討するケースもあるじゃろう。

 ここでは交換費用の内訳と合わせて工賃の目安を一覧で確認しておくとしよう。

【シートベルト交換費用・工賃の目安】
No交換部品交換費用・工賃
交換工賃(技術料)3000円~6000円程度
シートベルト10000円~50000円程度
バックル2000円~6000円程度

◆交換費用・工賃を安くするポイント

 シートベルト交換にかかる費用の中で最も高額となるのは前項の表を見てもわかる通りシートベルト本体の価格じゃ。

 費用の目安となる金額があまりにも幅が広くなってくる原因は「純正品」を使用して対応するのか?それとも同等品や中古品を取り入れるかどうかによって金額が大きく異なってくる為じゃ。

 もしシートベルトのベルトが戻らないなどの不具合が続くようなケースであれば、一度ディーラーで状態を確認し、保証の対象になるかどうかについても確認しておくと良いじゃろう。

 既に保証期間が過ぎており、純正品を完全に交換するとなると予想以上に高額の費用が生じるケースも多いため、そのような場合は中古品などの使用も検討し、最も高額となる部品代の節約を検討してみると良いじゃろう。

 但し、中古品は保証の対象とならないケースが大半であるため、このあたりは自己責任の範囲内で自分で決める事が大切じゃ。

◆後部座席のシートベルト着用義務化について

 2012年7月より開始されておる後部座席におけるシートベルト着用義務化は「全席3点式シートとする」という規定が設けられた事によって、後部座席中央部分に関しても3点式シートベルトの着用が義務付けられることとなっておる。

 但し、現在生産されている自動車は最初から3点式シートベルトの着用が可能となるものの、以前は後部座席のシートベルトに関しては2点式が認められて負った為、後部座席に3点式シートベルトが装着されていない自動車も多く存在しておる。

 その為、実際は後部座席で3点式シートベルトを装着していない場合であっても違反の取締りによって点数が減点されるケースはほとんどないのじゃよ。

 尚、シートベルト違反の減点は1点、。

 同乗者が免許を保持している場合は、免許を保持している本人の点数が減点される点も覚えておいて損はないじゃろう。